プロジェクトストーリー

「泳ぐ場所」から「地域の核」へ ~ プール整備を支える確かな技術と実績~

当社ではこれまで地域に根差した地元企業として、プール整備事業における多様な業務支援や飛込競技、水泳競技大会の協賛などを通じて、石川県内における公共施設の整備と競技スポーツの振興に大きく貢献してきました。
その取組みを以下に紹介いたします。

プール施設の外構設計【金沢プール】

概要

金沢城北市民運動公園内に位置する金沢プールは、平成29(2017)年にオープンした施設であり、一般利用からトップアスリートまで多様なニーズに対応したプールです。
また、金沢プールは屋内国際公認プールとして国内外のスポーツイベントの誘致をはじめとした、金沢市のスポーツにおける交流人口の拡大と地域活性化を図るうえで中心的役割を果たしていく施設です。
当社は、そのプール施設における外構の基本設計・実施設計から施工管理までを行いました。

実施年2012年
2013年
名称金沢城北市民運動公園 基本設計・基盤実施設計業務委託
金沢城北市民運動公園(Aゾーン)実施設計業務委託
発注者 金沢市 都市整備局 緑と花の課
エリア金沢市磯部町地内

フォーカスポイント

完成に至るまでには多くの課題をクリアする必要がありました。誰もが安全で快適に利用できる動線整理、既存施設とのスムーズな連携確保、限られたスペースでの効率の良い駐車場配置、大雨時に水害を防ぐための雨水調整池の整備などの課題。また、社会情勢や要望の変化により設計時からやむを得ず変更となる点も多くあり、完成間際まで試行錯誤の連続でした。
スポーツを通じた交流拠点として次世代へと受け継がれる施設整備を目指した弛まぬ努力の結果、2017年の完成以降は市民だけでなく、国内外を問わず数多くのアスリートの合宿利用も受け入れ、市民と世界的アスリートとの国際交流の場となっています。

プール施設における事業手法の調査・検討【アザレア】

概要

令和5(2023)年にオープンした津幡町住吉公園内の屋内プール「アザレア」は、町民の誰もが生涯スポーツと健康づくりに活用することを目指した温水プールです。
また、アザレアはフィットネス施設の開発・運営に関わる民間フィットネス事業者を、基本設計の段階から「仮指定管理者」として、プールの開発・運営をディレクションできる立場とする全国初の試みを行いました。
当社は、サウンディング型市場調査、VFMの算定などを通して、そのプール施設における最適な事業手法の調査・検討を行いました。

実施年2018年
名称住吉公園温水プール整備事業推進調査業務委託
発注者津幡町 都市建設課
エリア津幡町字庄地内

フォーカスポイント

2018年度に「住吉公園温水プール整備事業推進調査業務委託」として当社がPPP/PFI官民連携事業手法の検討業務を行い、民間業者への意向を確認並びにVFMも13.9%(2.19億円の削減)を算出し、PFI事業BTO方式を最適案とし報告書を取りまとめました。
しかしながら、PFI事業は時期尚早と判断され従来方式を選択されたことから、我々は基本設計の段階から「仮指定管理者」を選定し、運営側の視点で同プールの開発・運営をディレクションしてもらう手法を提案し採用されました。
この手法は全国初の「仮指定管理者」として、町や町民、運営会社などの利害関係者の誰もが満足できる理想的なスキームとして多方面に紹介されています。
住吉公園屋内温水プール「アザレア」は開業時時点で、会員数を目標比150%集客し、計画を大きく上回る好運営を実現しています。

プール施設の公認計測 【末広屋外水泳プール】

概要

小松運動公園内に位置する末広屋外水泳プールは、市民スポーツ大会、小松市内のクラブチームの活動、一般市民の健康増進などに利用されている屋外プールです。
当社は屋外プール(50m)の改修工事(内面塗装)後の公認(公益財団法人日本水泳連盟が定めるプール公認規則の基準に適格と認め公認したプール)に向けた現地測量を行いました。

実施年2019年
2020年
名称屋外水泳プール公認計測業務
発注者小松市 にぎわい交流部 スポーツ育成課
エリア小松市末広町地内

フォーカスポイント

本業務は、既に公認を取得していた競技用プールに対し、改修工事(内面塗装)の実施後、再公認のための精密測量を行ったものです。
プールは記録認定の前提として、壁面間距離においては厳格な条件を満たす必要があります。今回の改修工事では、塗装による厚みの影響でこの基準を満たせない可能性がありました。
改修工事前の確認測量で公認基準ギリギリの寸法であることが判明したため、塗装作業の途中で何度も計測を実施し、そのたびに「あと1mm塗ってください」「ここは0.5mmです」など、ミリ単位での厚さ調整を現場にフィードバック。まさに施工・測量が一体となった調整作業となりました。
しかしながらこうした綿密な連携と対応により、最終的に公認基準を完全に満たす仕上がりを実現。無事に業務を終えることが出来ました。

プール施設の官民連携導入可能性調査、基本計画策定
【(仮称)新加賀市屋内プール整備事業】

概要

加賀市中央公園内に位置する屋内プールは、築40年以上が経過し、施設・設備の老朽化や利用者の減少、ニーズの変化などへの対応が課題となり、次世代にふさわしい新たな市民プールの整備が必要となっていました。
当社は官民連携導入可能性調査として、サウンディング型市場調査、VFMの算定、B/Cの算出などを通じて、そのプール施設における最適な事業手法の調査・検討を行いました。
また、併せて加賀市のスポーツ振興、健康増進、賑わいの創出などを図ることに寄与するため、次世代にふさわしい新たな市民プールの基本計画を策定しました。

実施年2023年
名称加賀市水泳プール再整備に係る官民連携事業検討業務
発注者加賀市教育委員会事務局 スポーツ推進課
エリア加賀市山田町地内

フォーカスポイント

本業務は、新たなプール施設の整備に係る基本計画の策定と、従来方式(公設公営)の事業だけでなく民間活力の導入を視野に入れ、最適な事業手法の調査・検討を行ったものです。
民間事業者との対話(サウンディング型市場調査)には計12事業者に参加いただき、対話を通じて「市場性」「民間事業者の意向」「官民連携による実現性の高いアイデア」などを把握しました。近年の人件費や建設資材等の高騰により、事業費が高くなる要素が多く、民間事業者より様々な意見を計画策定時点において伺えたことは、とても有意義なものでした。
本業務終了後に加賀市が実施した公募型プロポーザルにて、屋内プール整備事業における民間事業者が選定され、2025年7月3日に新たな屋内プールの地鎮祭と起工式が執り行われました。今後も民間活力導入により、新たな屋内プール施設をはじめ加賀市全体の賑わい創出に繋がることを期待しています。

プール長寿命化計画策定調査、スライダー設計
【健民海浜プール】

概要

金沢市の健民海浜公園内に位置する健民海浜プールは、昭和46(1971)年にオープンした施設であり、多様な9つのプールと涼しい水のアトラクションが人気で、利用シーズン(7/1~8/31)は約101,000人(2024年)もの来場者で賑わうプールです。
当社はプール敷地内にある現施設の状況・老朽化調査を行い、長寿命化修繕計画を策定しました。また、人気の直線スライダープールの改築にあたり詳細設計を行いました。

実施年2023年
2024年
名称健民海浜公園整備工事(設計)業務委託(プール長寿命化計画
策定調査)
健民海浜公園整備工事(設計)業務委託(スライダー設計)
発注者 県央土木総合事務所 都市施設課
エリア金沢市普正寺町地内

フォーカスポイント

本業務は健民海浜公園内におけるプール敷地内にある現施設の状況・老朽化調査を行い、既存施設修繕計画を念頭に長寿命化修繕計画を策定したものです。また、その翌年度には、その調査・計画の結果を踏まえ、人気の直線スライダープールにおける改築の詳細設計を行ったものです。
長寿命化計画策定では、プールといった特殊な施設や設備などの健全度を把握すべく、専門家(業者)による様々な調査、状況確認等の手法により判定を行いました。
直線スライダープールにおける改築の詳細設計では、多面的な観点より子ども達が楽しめるスライダーを考え、3案比較検討やイメージパースの作成により視覚的な見える化を行い、発注者と完成のイメージを共有しました。
健民海浜プールが今後も県民に愛され続ける施設となるよう、当社も引き続き様々な仕事に携わっていきたい所存です。

競技大会への協賛など

◆中田周三杯(飛込競技大会)への協賛

当社は、毎年12月に開催される日本の飛び込み選手にとって1年を締めくくる大会である中田周三杯を2018年の第1回大会より協賛しております。
日本の飛び込み発祥地とも言われる石川県、その礎を築いた中田氏の功績を称え、後輩たちの有志によって始まった地域密着型の大会を当社も応援しています。

◆石川県水泳協会競技大会への協賛

○石川県選手権水泳競技大会
○石川県ジュニア選手権水泳競技大会
○石川県短水路ジュニア選手権水泳競技大会

◆第64回全国中学校水泳競技大会への協賛

当社は、金沢プールで開催された中学校最大のスポーツの祭典である「第64回全国中学校水泳競技大会」に協賛しております。

◆令和5年度北信越高等学校体育大会北信越高等学校選手権水泳競技大会への協賛

◆石川県水泳協会の副会長として石川県のスポーツに貢献

当社代表取締役の瀧上彰は、石川県水泳協会の副会長を長年務めており、組織運営や選手育成、石川県のスポーツ振興発展に貢献してきたことが評価され、石川県スポーツ協会よりスポーツ功労者賞を受賞(2023年8月)しています。

今後のプール、スポーツ活動の応援について

公共のプールは1960年代の高度経済成長期から全国的な整備が進み、第2次ベビーブーム世代の増加に伴い、多くが1970年代から80年代半ばにかけて建設された経緯があります。そのため、どの自治体でも少子高齢化、財政難による施設の老朽化、利用者の減少などの課題があり、時代のニーズに応じた整備が求められています。

当社は、民間活力を導入したPPP/PFI事業によるプール整備、小学校の水泳事業とあわせた公共施設の統廃合、健康増進や生涯スポーツに寄与する施設整備など、様々な検討を視野に入れ地域社会におけるプールのあり方を見据え、豊かな暮らしとなる社会基盤の整備に尽力していきたいと考えます。

引き続き石川県の水泳・飛び込みなどのスポーツ活動を応援する活動を継続することで、競技スポーツの振興に努めてまいります。