プロジェクトストーリー

-未曾有の地震災害- 孤立した能登へ、被災構造物の点検に挑む!

2024年1月1日、家族が集まり、団らんの時を過ごしていた元旦の夕方、
能登半島を震度7の大地震が襲った。地震の規模を示すマグニチュードは7.6。
気象庁は能登地方に大津波警報を発表した。
金沢から能登半島を結ぶ「のと里山海道」や奥能登の大動脈である「国道249号線」など、道路網は地割れや土砂崩壊など被害が甚大であった。

そこで橋梁やトンネルの通行安全性を評価するとともに、応急復旧に向けた情報収集のため緊急点検をおこなった。


県内大地震!M7.6震度7

2024年1月1日

16:06 能登でマグニチュード5.5、震度5強を観測
16:09 会社から社員に安否確認通知が届く
16:10 能登でマグニチュード7.6、最大震度は志賀町と輪島市で7、七尾市、珠洲市、穴水町で 6強を観測
16:12 気象庁が石川県などに津波警報を発表
16:15 再び会社から社員に安否確認通知が届く
16:18 能登で震度5強を観測
16:21 輪島港で1.2メートル以上の津波を観測
16:22 能登地方の津波警報を大津波警報に切り替え
16:56 能登で震度5強を観測
18:10 輪島市で大規模火災が発生
18:18 安否確認システムにより社員および家族全員の無事が確認された
20:30 大津波警報を津波警報に切り替え

緊急招集!情報収集に追われる

2024年1月2日

01:15 津波警報を津波注意報に切り替え
07:30 アルスコンサルタンツ社屋に役員、幹部が集まる
緊急会議にて出動要請の体制を確認
09:00 緊急出動の準備に追われる
全ての社用車にガソリンを補充、非常食や簡易トイレ等の準備をおこなう
10:00 津波注意報を全て解除
11:11 石川県から支援の要請
石川県との災害協定に基づき石川県建設コンサルタント協会を通じて橋梁、トンネルの緊急点検依頼が発生
15:20 トンネル点検リストが配布される
金沢以北~珠洲までの点検リストが提示され、点検は3日から開始するものとし点検スケジュールの提出を求められる
15:27 1月3日分の橋梁点検リストが配布される
のと里山海道 柳田IC以北で珠洲に向かう重要路線における橋梁の安全性の確認を目的とし、1月3日中に点検を実施し、結果速報を即日報告の指示あり
16:30 トンネル緊急点検の打合せ
点検対象トンネルの各社割り振り、通行可能経路等の情報を共有するためWEBにて打合せ
17:13 能登半島沖で震度5強を観測
20:00 輪島市で最大4メートルの地表の隆起があったと国土地理院が発表

石川県地質調査業協会からの要請により、金沢市内の法面の現地確認を行う

緊急点検開始!

2024年1月3日

02:21 能登で震度5強を観測
05:30 橋梁点検班が会社に集合、緊急点検へ
08:30 トンネル点検班が会社に集合、緊急点検へ
10:54 能登で震度5強を観測
16:45 橋梁点検班が点検を終え、無事に会社に到着
17:30 橋梁点検結果を県に報告
17:40 トンネル点検班が点検を終えたと会社に連絡
点検を終え帰途につくも大渋滞に巻き込まれ、会社に到着したのは翌朝の6時だった

2024年1月4日

06:00 昨日からのトンネル点検班がようやく会社に到着
点検結果を整理し、翌日の点検準備をして帰宅

石川県地質調査業協会からの要請により金沢市内の崖地・法面点検を行う

2024年1月5日

05:30 橋梁点検班が会社に集合、緊急点検へ
07:00 トンネル点検班が会社に集合、緊急点検へ
17:35 トンネル点検班が点検を終え、無事に会社に到着
20:30 橋梁点検班が点検を終え、無事に会社に到着

発生から5日経過も余震は続く

2024年1月6日

05:26 能登で震度5強を観測
23:20 志賀町で震度6弱を観測

2024年1月7日

02:00 気象庁が輪島市と珠洲市に大雨警報を発表
06:30 橋梁点検班が会社に集合、緊急点検
14:38 珠洲市と能登町で震度4、輪島市で震度3
18:00 橋梁点検班が点検を終え、無事に会社に到着

点検に向かうも橋梁までたどり着けず

2024年1月9日

06:00 橋梁点検班が会社を出発、緊急点検へ
この日は珠洲市宝立町地内の橋梁点検に向かうも道路が通行不可により県へ報告し、そのまま引き返すことに
19:30 橋梁点検班が無事に会社に到着
県と協議の結果、後日ヘリコプターにて目的地まで行くこととなる

2024年1月10日~1月16日

この間も橋梁、トンネル共に緊急点検は続き、複数班を導入して1日も早い点検結果を目指した
能登方面だけではなく、金沢以南の橋梁緊急点検も同時に行うようになった

道路が通行不可により、ヘリで点検へ

2024年1月17日

02:21 能登で震度5強を観測
03:00 橋梁点検班が会社を出発、飯田港(ヘリコプター発着場)へ向かう
1月9日に実施出来なかった橋梁の点検のため飯田港(ヘリコプター発着場)まで車で向かう
04:10 渋滞発生
この時間帯にも関わらず渋滞が発生している
10:10 ヘリコプターに乗って目的地まで
点検対象橋梁までの道路が通行不可のため、ヘリコプターにて目的地まで行く
10:54 能登で震度5強を観測
19:55 橋梁点検班が点検を終え、無事に会社に到着

2024年1月19日~2月21日

その後も橋梁・トンネルの緊急点検は続いた

被災地のインフラ復旧へ!今できること

2024年1月1日、能登半島を襲った震度7の大地震は、広範囲にわたり甚大な被害をもたらし、多くの地域が孤立状態となりました。地震発生翌日には、石川県建設コンサルタント協会に加盟する複数の企業が、復旧に向けた緊急対応を開始。道路の寸断や橋梁・トンネルの損傷を受け、交通インフラの安全確認が急務となるなか、協会加盟各社が連携し、被害状況の把握のため緊急点検への準備に取り組みました。

当社もその一員として、地震発生直後から迅速な出動体制を整えました。道路状況が悪化する中、橋梁やトンネルの緊急点検を実施し、県への情報提供を行いました。また、通行不能な地点についてはヘリコプターを活用し、被害状況の把握に努めるなどあらゆる手段を講じました。

地震発生から数ヶ月が経過した今も、復旧作業は続いています。しかし、石川県建設コンサルタント協会を中心とした関係各社の尽力により、被災地域のインフラ復旧は着実に進んでいます。今回の災害を通じて、建設コンサルタント業界の果たすべき役割の重要性が改めて浮き彫りとなりました。アルスコンサルタンツは今後も協会の一員として、地域の安全確保と復旧・復興支援に全力で取り組んでいきます。